2011年11月17日
税理士ら3人逮捕=虚偽の公正証書作成―東京地検
法人税の申告手続きに絡み、公証人に虚偽の公正証書を作成させたとして、東京地検特捜部は10日、公正証書原本不実記載などの容疑で、税理士小倉浩司(51)、飲食店経営会社「オルフェ」経営者の長瀬敏夫(53)、元同社従業員渡部浮佐子(42)の3容疑者を逮捕した。
逮捕容疑によると、小倉容疑者らは2007年、東京都港区の公証人役場で、経理担当だった渡部容疑者がオルフェに与えた損害について、実際は約1億3900万円なのに約4億8500万円と公証人に説明し、虚偽の公正証書を作成させた疑い。
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2011年09月29日
「マイホームは意外と買えるもの」 税理士がその仕組みを説明
■夢のマイホームをお得に手に入れろ
共働きの坂尾さん(仮名)夫婦は、昨年末にマイホームを購入した。愛妻家の坂尾さんは毎日のようにマイホームの購入をせがむ妻に恐々としていたが、昨年とうとう購入に踏み切ったという。なぜ購入を決意したのだろうか。
坂尾さん曰く「知り合いの税理士に住宅ローン減税の話を聞いて、購入する気になりました。まさかこんなに税金が少なくなるなんて思いませんでした。こんなことならもっと早く買うんでしたよ」。
■住宅ローン減税とは
住宅ローン減税は家を購入すると減税されると勘違いされている方も多いが、正しくは、住宅ローンを借りている人が、一定の要件を満たすことで、12月末の住宅ローン残高の一定割合を、その年の所得税の納税額から控除(減税)するというものである。
一定の要件については以下の他、細かく条件が定められている。
1. この減税を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下
2. 返済期間が10年以上の分割返済による借入金
3. 新築や購入した住宅の床面積(登記上面積)が50m2以上であり、その2分の1以上が居住用
4. 生計を一緒にしている親族からの取得でないこと
また新築か中古かで条件が異なるので、確認が必要である。なお購入した翌年に確定申告を行わなければならないことにも注意が必要である。
■所得控除と税額控除の違い
上記の住宅ローン控除は税額控除というものですが所得控除と税額控除の違いについて触れておく。
例えば、所得(収入ではない)が198万円あるとする。基礎控除38万円は所得控除であるから、
198万-38万=160万
となり、160万円が課税所得となる。
所得税は課税所得に所得税率をかけるので、
160万5%=8万円
となり、8万円が所得税となる。つまり、所得税率が5%の人は38万円の所得控除をすることによって税額が19,000円少なくなる。
所得税は累進課税のため、もっと所得の多い人だと所得税率があがり10%で38,000円、40%の場合は152,000円所得税が少なくなる。
それに対し住宅ローン控除は20万円だとすると、20万円全額が控除される。税額控除は所得控除と違って、所得税の計算後の税額から控除されるので税金額そのものが少なくなるのである。
一般のサラリーマンにとって、税額控除が強烈な減税であることは明らかである。
■夫婦でダブル控除
実は坂尾さん夫婦と同時期に家を購入した、お隣の夫婦がいた。お隣夫婦と坂尾さん夫婦は一見、仲の良い平和な隣人を演じていたが、本当のところは競争意識が強く、何かと自慢話を互いに繰り返すなど、張り合っていた。そしてどちらかというと坂尾さん夫婦が悔しい思いをすることの方が多く、コンプレックスを抱いていた。
お隣夫婦の収入は坂尾さん夫婦と同じぐらいで、年間で夫が20万、妻が15万円程度の所得税を納めている。そして昨年末のローン残高も4,800万円と同じくらいである。
お隣夫婦は住宅ローン控除で夫の所得税20万円が全額戻り、大喜びして自慢していた。
4,800万円1%=48万円>20万円
ところが今回ばかりは坂尾さん夫婦の勝ちだった。
坂尾さん夫婦は税理士の薦めで共有名義で家を購入していたのである(共有持分1/2)。
2,4001%=24万円>20万円
2,4001%=24万円>15万円
なんと夫婦で全額の35万円が還付されたのである。
■夫婦で住宅ローン控除を受けるには?
夫婦2人で住宅ローンを組む場合、主に以下の3通りのケースがある。
1. 夫婦で連帯債務者
2. 夫婦別々の借入
3. 妻は単なる収入合算者で連帯保証人
住宅ローン控除を受けるには1、2ならOKだが、3は控除の対象とはならない。3の場合では、妻は債務者ではなく連帯保証人となる。よって、住宅ローン減税は債務者でないと受けることができないので、妻に収入があって所得税を納税していても、残念ながら住宅ローン減税を受けることができないのだ。
坂尾さん夫婦は当然、税理士のフォローにより、2の方法を採っていた。
■共有で住宅を購入した場合のその他のメリット
共有で住宅を購入した場合、住宅ローン控除のダブル控除以外にも次のようなメリットがある。
1. 将来マイホームを売却するようなことが起こった場合、マイホームの売却価額が、そのマイホームの取得価額より高くて譲渡益が出た場合には所得税がかかるが、3,000万円以内なら税金はかからない(「3,000万円特別控除」夫婦共有名義であれば、夫婦2人分で最高6,000万円まで控除が受けられる)。
2. 結婚して20年経つと「居住用財産の贈与の特例」が利用できる。これによって2,000万円まで無税で配偶者に贈与できるので、夫の持分を妻に贈与することによって、将来の相続税の節税対策が図れるわけだ。
坂尾さん夫婦の将来は安泰であると言えるだろう。
こうして坂尾さん夫婦は所得税の還付金で家族旅行に行くのだった。税金を知るということは良いことづくしである。
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2011年08月12日
政府税調協議スタート 復興増税、道のり険しく
政府税制調査会は4日、東日本大震災の復興財源を確保する臨時増税について協議を始めた。10兆円規模で、所得税や法人税など基幹税の引き上げを中心に検討を進める。ただ、増税論議の土台になる復興基本方針は、民主党内の反発で増税規模が明示されない事実上の骨抜き状態となったため、政府税調が増税を打ち出しても絵に描いた餅に終わる可能性がある。
「まず歳出削減と税外収入の確保に徹底的に取り組むとともに、復興債の償還の道筋を付けるため税制措置を講じる必要がある」。菅直人首相は税調冒頭で増税の重要性を強調した。
政府は復興財源確保のために発行する復興債の償還財源として臨時増税を検討しており、政府税調は今後、具体的な税目や増税の規模・期間などを詰める。
政府内では所得税や法人税を1割上乗せする「定率増税」案や、所得税増税に加えて法人実効税率の5%引き下げを凍結する案、さらに基幹税の増税に酒税やたばこ税の税率引き上げを組み合わせる案などが浮上している。政府税調はB型肝炎訴訟の和解金支払いに必要な7千億円の財源確保も併せて検討し、月内にも東日本大震災復興対策本部に複数の案を提示する。
もっとも臨時増税には与党の“お墨付き”がない。政府は7月29日に復興基本方針を策定したが、基幹税を中心とした増税で10兆円程度を確保するとしていた当初案が激しい批判にさらされた。増税の規模や実施期間の記述は削除され、閣議決定もできなかった。
党内では「復興増税の実施はまだ決まっていない」(若手議員)との認識も強く、執行部は火種の増税論議を当面封印し、特別会計などの「埋蔵金」発掘を優先しようともくろむ。
復興増税は、首相の退陣後に民主党代表選の争点になる見通しで、候補と目される議員も党内の声に配慮して、続々と増税反対を表明し始めた。馬淵澄夫前国土交通相は、増税の代わりに建設国債を財源にするよう提案し、小沢鋭仁元環境相も復興増税には慎重な立場を取っている。
それだけに、政府税調が臨時増税の実施を提言しても、「ポスト菅」次第では棚上げされ、復興財源をめぐる調整が迷走することも予想される。
本格的な復興策を盛り込んだ第3次補正予算案の提出時期が、現在想定されている9月よりもさらにずれ込めば、被災地の復興に支障が出る事態も避けられない。
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2011年08月03日
「増税ありき」「根拠あいまい」=野党一斉に批判―復興基本方針
与野党の政策責任者は31日、NHKの番組に出演し、政府の東日本大震災の復興基本方針をめぐり議論した。民主党の玄葉光一郎氏は、復興財源捻出のための増税に理解を求めたが、野党側は「増税ありきだ」などと一斉に批判した。
政府が29日にまとめた基本方針は、事業規模を10年間で少なくとも23兆円と積算。臨時増税で財源を確保する方向性は示したが、民主党内の反対論に配慮し、規模や期間の明示を見送った。番組で自民党の石破茂氏は「増税ありきに聞こえる」と強調。事業規模などにも触れ「きちんとした各論の積みあげの基に方針はあるべきだ」と、根拠が不明確との認識を示した。
公明党の石井啓一氏は「財源を固めないと本格的な(復興策を盛り込む)2011年度第3次補正予算案を組めない」と懸念を表明。みんなの党の浅尾慶一郎氏は「増税すれば円高がさらに進み、経済にマイナスだ」と指摘し、共産、社民、たちあがれ日本の各党も、「消費税上げなどあってはならない」「国会議員定数や公務員人件費の削減などを放っておいて、国民は納得しない」などと、増税論議の先行を批判した。
一方、玄葉氏は、人件費削減などに取り組む決意を示しつつ「税を全く考えなくてもいいのかといえば、そうではない」と述べ、増税の必要性を強調。しかし、国民新党の亀井亜紀子氏は「増税に反対だ。まず景気回復を優先すべきだ」として、無利子非課税国債の発行を求めた。
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2011年07月15日
<幼保一体改革>選択肢拡大、質は不透明 財源も消費税頼み
政府は6日に公表した新たな子育て支援策「子ども・子育て新システム」で、保育サービスの「量」拡大に向けて企業などの参入や幅広いサービスへの公費助成を打ち出した。13年度の実施を目指しており、保護者にとっては子を預ける先の選択肢が広がる。しかし、財源は実現性が「視界ゼロ」に陥った消費税増税頼み。保育の「質」についても、改善方針こそ示したものの、具体策は先送りした。【山崎友記子、堀井恵里子】
新規参入促進以外の柱は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ総合施設など「こども園」の創設だ。が、総合施設には0~2歳児の預かりを義務づけていない。10年10月の保育所待機児童は前年比2298人増の4万8356人、うち9割は0~2歳児で、企業や非営利組織(NPO)参入による補完に期待がかかる。
とりわけ、新たに公費助成対象とする、賃貸マンションなどを使った小規模保育施設や保育士が少人数を預かる「保育ママ」は親の希望に迅速に対応できる。首都圏で小規模保育を展開するNPO法人フローレンスの駒崎弘樹代表は「認可保育所は計画から入所まで数年かかることもあるが、小規模施設なら数カ月」と語る。横浜市の伊東裕子緊急保育対策課長も「土地が少なく、大きな保育所を作るのは難しいので助けになる」と評価する。
改革案では、地域の保育ニーズを市町村に把握させる。必要なサービスを的確に供給するためだ。だが、補助金の負担増を嫌う市町村が「需要」を低く見積もれば事実上の参入規制となり、保育の量拡大は進まない。
一方、「質」の確保では、海外に比べて低い職員配置基準(認可保育所の場合、3歳児は最低子ども20人に保育士1人など)の改善を打ち出した。全産業平均の7~8割という保育士、幼稚園教諭の給与改善もうたった。財政難の自治体を中心に保育士の非正規職員化が進んでおり、川村雅則・北海学園大准教授(労働経済学)の調査では、北海道内の公立保育所でフルタイムで働く非正規保育士の約6割が年収200万円未満にとどまる。
政府は質の改善に6000億円を充てる意向だ。それでも、財源に想定するのは先行き不透明な菅直人政権が模索する「消費税率5%アップ」分の一部とあって、具体的な職員配置基準や、給与アップ策には踏み込めなかった。また、新規参入が増えた場合の子どもの安全を守る規制づくりも課題として残る。
幼保一体化の議論は、幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省という「二重行政」の解消にも狙いがあった。だが、関係団体などとの調整が難航し、幼稚園、保育所とも存続する。幼保一体施設を内閣府が所管するなら、「三重行政」ともなりかねない。6日の新システム検討会議では、恵泉女学園大大学院の大日向雅美教授が「所管の一元化」を強く求めたが、小宮山洋子副厚労相は「内閣府に連携室を置き、一体化が図れる工夫をしたい」と述べるにとどめた。
◇保護者が施設と直接契約 パートでも預けやすく
新制度に移ると、最も変わるのは保護者の手続きだ。保育所の場合、今は親が市町村に申し込み、市町村が必要性を判断したうえで入所先を決める。パート労働の人は保育が必要と認められても、定員枠が小さければ優先度が下がり、利用できないことも多い。
こども園に入るには、保護者はまず、市町村から保育の「必要量」について認定を受ける。フルタイム労働の人は「長時間」、パートの人は「短時間」といった具合。子どもの預け先が増えることも相まって、パートの人も預けやすくなる。専業主婦の人も、さらに短い「標準時間」(幼稚園型)の認定を受けられる。
次は希望する施設と直接、契約を結ぶ。望む施設に空きがなければ、自分で他を探さなければならないため、待機児童問題が解消されるまでは現行通り市町村のあっせんを認める。
直接契約なら、障害児や低所得の家庭が排除されかねない。そこで「正当な理由」がなければ、受け入れを拒めないようにする。ただし、どこまでを正当な理由とするかはハッキリさせていない。
利用料は地域や施設の規模、利用時間などに応じて決まる。施設には教材費や制服代、独自の教育活動費などの上乗せ徴収も認めており「親の経済力による格差が拡大する」とも指摘されている。
幼保一体化の試みとしては、06年度に始まった「認定こども園」がある。ただ、同園の乳幼児受け入れは実態として「幼稚園枠」と「保育所枠」に分かれ、補助金も別々。契約方法も各制度に準じており、補助金を一本化する新制度とは異なる。
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2011年06月10日
与謝野経財相「地方は国に譲歩を」 消費税増税の税収配分で
与謝野馨経済財政担当相は10日の閣議後会見で、社会保障と税の一体改革に伴う消費税増税をめぐり国と地方の税収配分が課題になっていることについて、「地方の収支は黒字だが、国は相変わらず赤字。地方は国に対して『同情を禁じえぬ』という気持ちをもってほしい」と述べ、財政が健全な地方側が譲歩すべきだとの考えを示した。
消費税収は約56%を国が高齢者向けの年金、医療、介護に充て、残りは使途を限定しない一般財源として地方に配分している。一体改革で税率を5%から10%に引き上げた際、地方側は現状と同様の配分を求めているほか、地方自治体が単独で行う社会保障事業の財源も消費税収でまかなうよう主張している。
これに対し、与謝野氏は増税後の消費税は社会保障の目的税とすることから、「一般財源として地方にいくことはありえない」と指摘。また、単独事業についても、自治体が独自に導入してきた経緯から「内容を精査せずにお金をつけることはありえない」と、消費税収を充てることに否定的な見方を示した。
政府は10日夕にも、与謝野氏ら一体改革の関係閣僚と、全国知事会など地方団体との意見交換の場を設け、消費税収の配分などについて話し合う予定だ。
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2011年05月30日
消費税増税にじませる 民主社会保障改革案
民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」(会長・仙谷由人代表代行)は26日、社会保障改革の最終案をまとめ、国民負担率について「国際的に妥当な水準」まで引き上げるとして消費税増税をにじませた。30日に開かれる政府・与党の社会保障改革に関する集中検討会議(議長・菅直人首相)に提出する。
マニフェスト(政権公約)で掲げた月額7万円の最低保障年金と、すべての職業の人が加入する所得比例年金について、導入時期を明記しなかった。所得比例年金は、積み立てた保険料を受給開始時の平均余命で割る方式を採用。サラリーマンは保険料を労使で折半、自営業者は全額自己負担する。専業主婦は、夫の保険料の半分を納付しているとみなすことにした。
外来受診時の窓口負担に一定額を上乗せする定額負担制度については「検討する」とし、保険財政に組み入れる考えを示した。低所得者の基礎的生活費にかかる消費税額を計算し、その分を所得税から控除する給付付き税額控除も「導入を図る」と記した。
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2011年05月17日
脱官僚目指した民主党が増税路線になった理由は身分守るため
震災復興の財源を巡り、政府、霞が関、大メディアが、増税を声高に主張し始めた。一方で「増税なき復興」を主張するのが「減税日本」代表で名古屋市長の河村たかし氏だ。以下は河村氏のインタビューである。
――なぜ脱官僚を目指した民主党は増税路線に変わってしまったのか?
河村:世界の政治の歴史を見てください。もともと「議員」の役目は庶民の代表として、徴税権を持つ王様や貴族の増税に抵抗することだった。事実、外国では貴族が由来の増税政党と、庶民の代表者からできた減税路線の政党に分かれているでしょう。
日本では自民党長期政権が霞が関と一体になって増税を繰り返して中央集権を維持してきたわけです。自民党が貴族の“増税大魔王”なら、民主党は庶民の側に立って減税をする“救世主”でなければならなかった。ところが、政権交代した途端にその民主党も霞が関と一緒になって増税だといっている。
――なぜだと思うか。
河村:日本の議員報酬は世界的に非常に高く、一度その甘い汁を吸うと忘れられない。だから議員を一族の家業にしてしまったりする。これが大間違い。自民も民主も、自分たちの身分、報酬を守りたいから、国に税金を集めたがるんですよ。役人と同じ徴税者の側に立ってしまう。
大マスコミも記者クラブ制度に守られ、霞が関に情報をもらって増税必要論を唱える記者が出世するので、職業議員、役人と同じ穴のムジナです。だから震災復興でどこからも減税論が出てこない。
本来、政権交代は、減税か増税かという納税者の革命でなければならなかったのに、実際は、職業議員同士の権力闘争にすぎなかった。マスコミも本当の革命を望んでいないから、その範囲内で政権交代してくれれば御の字だったわけです。
だから、震災の今こそ、日本の政治には納税者側に立った革命が必要だと考えているんです。
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2011年05月05日
復興財源めぐり不協和音 政府・与党、増税で対立表面化
東日本大震災の復興財源をめぐり、不協和音が表面化している。政府・民主党内では消費税増税に前向きな声が上がる一方、「社会保障と税の一体改革」を主導する与謝野馨経済財政担当相らは“虎の子”の消費税を震災対応に奪われる可能性に警戒感を隠さない。党内では増税論議自体に反対する声も強く、復興財源の確保は早くも迷走を始めている。
菅直人首相は25日の参院決算委員会で、「震災復興には相当の財政出動が必要だが、これまでの財政健全化努力と整合性を持たせることが課題だ。第2次補正予算案を審議するなかで道筋を打ち立てたい」と述べ、増税に含みを持たせた。
政府は6月にまとめる一体改革と、7月以降に編制する2次補正などの震災復興策の財源として、消費税や法人税、所得税などの増税を検討する。なかでも1%で2.5兆円の財源を確保できる消費税は最も有力で、復興目的として臨時に引き上げた後、一体改革実現のために税率を上乗せする“2段階増税”構想も浮上している。
一方、与謝野経財相は23日開かれた一体改革に関する集中検討会議の準備会合で、「消費税を『復興税』と名付けて時限的に税率を上げると、復興が終われば元に戻すことになりかねない」と懸念を示した。安易に2段階増税に乗れば国民の反発を招き、逆に毎年1兆円以上増え続ける社会保障費が確保できなくなる恐れもあるためだ。
震災前まで民主党内で一体改革の議論を主導してきた仙谷由人官房副長官も、「期間限定で所得に対する税の上乗せが望ましい」と述べ、消費税以外の財源を候補に挙げている。
こうしたなか、民主党の税制改正プロジェクトチームは増税論議の先行に反発。22日の役員会で「財源は復興ビジョンの全体像を見極めた上で所要額を算定し、確保につとめる」との方針を確認した。
「震災復興税」創設を打ち上げて論争に火を付けた政府の「復興構想会議」も、相次ぐ反対論に押された形で、23日の会合では「(増税を)主たるテーマにはまだしない」(五百旗頭真議長)と議論を“封印”する構えだ。ただ、被災地の復旧策を盛り込んだ1次補正予算では、一体改革に伴う来年度以降の消費税増税を前提に、2.5兆円の基礎年金財源を先食いした。増税議論がこのまま混迷を深めれば、復興も一体改革も、ともに絵に描いた餅となりかねない。(田辺裕晶)
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2011年04月18日
東日本大震災 「復興税」構想に閣僚ら慎重発言
東日本大震災復興構想会議の五百旗頭(いおきべ)真議長が提起した「震災復興税」構想に関し、15日午前の閣議後会見で閣僚の慎重な発言が相次ぎ、同会議での増税論議がクローズアップされることへの懸念が示された。
枝野幸男官房長官は、同会議が増税を求める提言をまとめた場合の政府の対応について「国会や内閣の責任で判断すべきことだというのが大前提だが、判断にあたって大変重い提言をいただくことになる」と述べ、最終判断は政府と国会で下すとした。
玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)は「すぐ増税することは、現時点で私の頭の中にはない」と述べる一方「財源として『復興(国)債』のようなものを出さざるを得ない。償還財源を検討することも、国債の信認上大切なことだ」と語った。
与謝野馨経済財政担当相は「一つの考え方ではある」と評価した。一方、片山善博総務相は「財源調達の具体論は本来、政治が正面から国民の皆さんに納得を得られるよう説明する努力をせねばならない分野だ。学者や有識者の皆さんに正面から論じてもらうテーマでは必ずしもない」と述べ、復興構想会議で増税問題を議論すること自体に慎重な姿勢を示した。【影山哲也】
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2011年04月07日
震災に乗じた増税は国民への負担を強いて消費を停滞させる
政府は東北関東大震災の被害額を16兆~25兆円と見積もった。この復興費用をどう捻出するか。4月導入予定だった高速道路新料金が見送られるが、これで確保できるのは3000億円のみだ。抜本的な解決にはほど遠い。元財務官僚で経済学者の高橋洋一・嘉悦大学教授が指摘する。
「気をつけなければならないのが、震災に乗じた増税論です。災害下での増税は国民への負担を強いるだけでなく、さらに消費を停滞させる。その前にできることはまだあります。
まず手をつけるべきは、国債費20.6兆円のうち、10.9兆円を占める“債務償還費”です。これは毎年度、債務償還のために必要な国債として、財務省が余計に発行しているものです。しかし、実際のところ政府は債務償還には借換債で対応しているため、債務償還費の計上は必要ないと私は考える。この 10.9兆円を復興資金に充てた上で足りない部分を“震災国債”として発行し、被災地復興費用を賄うべきです」
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2011年04月04日
復興目的の消費増税容認=節電指針、4月策定―日商会頭
日本商工会議所の岡村正会頭は31日の記者会見で、東日本大震災の被災地の復興財源について「国民負担を分かち合う意味では、消費税が最適だ」と述べ、 2012年度から3年間程度、復興目的に限定した消費税率の引き上げを容認する考えを表明した。財源として消費増税に言及した財界首脳は初めてで、今後の論議に影響を与えると予想される。
また、大幅な電力不足が懸念される夏に備えて「遅くとも連休前にガイドラインをまとめる」と語り、中小企業の節電目標などを4月中に策定し、日商会員企業に徹底することを明らかにした。
岡村会頭は復興財源について「マニフェスト(政権公約)を見直して予算を組み替えるのは当然だ」として、高速道路無料化や子ども手当などの廃止・縮減による捻出が前提と強調。その上で、不足分を税で補うことが必要との認識を示した。
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2011年03月31日
<経団連>米倉会長、法人減税見送り容認 被災地復興最優先
日本経団連の米倉弘昌会長は28日の定例会見で、11年度税制改正法案に盛り込まれた法人税5%引き下げについて、「迅速に復興してくれるなら、個人的に引き下げはやめてもらって結構」と述べ、東日本大震災の被災地復興を最優先するため、法人減税の実施見送りを容認する考えを明らかにした。
米倉会長は復興財源について、「高速道路無料化や子ども手当などを見直せばかなりの財源が出る」と指摘、民主党のマニフェストを修正して財源を捻出するよう促した。そのうえで、「それで足りなければ法人税などいろんな税について考えないといけない」と述べた。ただ、「震災対策で税財政・社会保障の一体改革を先延ばししてはいけない」と語り、持続可能な社会保障制度の構築や財政健全化の姿勢も堅持すべきだとの認識を示した。
法人税減税を見直して大震災の復興財源に充てることについて、五十嵐文彦副財務相は28日の会見で、「将来の引き下げを確定して、税率は当分の間維持する方向も考えられる」との考えを示すとともに、被災者に対して、住宅を失った場合の住宅ローン控除の継続適用や、相続税や贈与税の軽減など税制上の支援措置を示した。
民主党の岡田克也幹事長は27日、野田佳彦財務相も25日、それぞれ減税見直しを検討する考えを示しており、法人税減税の見直し機運が高まってきた。
一方、米倉会長は、東京電力の計画停電で夏場に大幅な電力不足が見込まれる問題について、「ピーク時の使用を抑える対策が必要」と述べ、産業界で総量規制についての対応を検討する姿勢を示した。そのうえで、米倉会長は使用制限について、フレックスタイムや自家発電、生産拠点の変更でも需要超過が避けられない場合、「最終的には導入はやむを得ない」との考えを示した。
東京電力管内の電力不足については、企業が自主的に電力使用量の上限を設け、工場の停止期間などを自分で選ぶ「総量規制」や、電気事業法に基づき需要を強制的に減らす「使用制限」などが需要抑制策として浮上している。【宮崎泰宏】
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2011年03月28日
民主党 岡田幹事長が税制改正法案を見直す可能性示唆
民主党の岡田克也幹事長は27日、青森県八戸市で記者団に対し、震災復興のための11年度補正予算の財源を巡り、法人税5%引き下げなどが盛り込まれた税制改正法案を見直す可能性があるとの認識を示した。岡田氏は「(法案には)所得税控除の見直しや法人税減税などが含まれている。民主党だけでは参院で可決できないので、野党とどれを取り、どれを取らないのか議論する。減税額を減らして復興資金に充てることもあり得る」と述べ、法人税の引き下げ幅を圧縮することを検討する考えを示した。
民主党は子ども手当のつなぎ法案について、衆院での再可決も視野に共産、社民両党に協力を求めている。法人税引き下げに反対する両党への配慮の側面もある。
これに先立ち、岡田氏は八戸市などの漁港を視察。漁民から「船の半分以上が流された。早く漁を再開できるよう支援をお願いする」と要望を受け、「間もなく来年度予算が成立する。1兆円の予備費でどんどん対応する」と応じ、積極的な財政支援を強調した。【野口武則】
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2011年03月16日
谷垣氏、時限増税を提案 「復興ニューディール」
東日本大震災を受け、菅直人首相(民主党代表)は13日午後、自民党の谷垣禎一総裁と首相官邸で会談した。谷垣氏は「国債発行だけで復興財源は賄えない。支援税制を『東北復興ニューディール政策』と位置付け、何かやりたいと国民の気持ちを一つにすべきだ」と説き、復旧・復興財源の確保に向け時限的な増税を含めた包括的な復興支援立法を求めた。首相は「これから協議していこう」と応じ、両党幹事長に具体的な検討を委ねる考えを示した。
首相は同日夜の記者会見で震災対策のための特別立法を検討する考えを表明。その後、白川方明日銀総裁らとの会合で「谷垣氏の復興ニューディールをやろうという考えに私も賛意を示した。決して増税とか何かを言ったわけでは一切ない」と強い意欲を示した。
谷垣氏は会談後、記者会見で「子ども手当などのばらまきを温存して復興資金は確保できない。そこにメスを入れるのが前提だ」と述べた。
一方、自民党の逢沢一郎国対委員長は13日、民主党の安住淳国対委員長と会談し、平成23年度予算関連法案の地方交付税法改正案と関税定率法案、税負担減免措置延長のためのつなぎ法案の3法案に賛成する方針を伝えた。
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2011年03月10日
<税制改正法案>つなぎ法案 自・公、賛成へ 解散戦略は変えず
自民、公明両党は、税制改正法案のうち3月末で期限が切れる租税特別措置を3カ月延長する「つなぎ法案」に賛成する見通しだ。国民生活に影響が出て批判の矛先が向くのを避ける狙いから当面は菅政権に協力する。ただ、4月の統一地方選後から6月の国会会期末をにらみ、特例公債法案の扱いなどを巡って衆院解散・総選挙に追い込む戦略は変えていない。
自民党の谷垣禎一総裁ら幹部は9日、民主党の提案を受け党本部で対応を協議。つなぎ法案に対し「なし崩し的に与野党協議の流れになるのでは」などの慎重論が出たため結論を持ち越したが、党内では「賛成せざるを得ない」との見方が広がっている。谷垣氏が10日、方針を説明する。
与党が衆院で3分の2を確保していない現状で、法人税減税などを含む税制改正法案本体は野党の反対で成立する見込みがない。石原伸晃幹事長は記者団に「『つなぎ』ではなく先送りだ」と述べた。【野原大輔】
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2011年03月04日
「衆院選マニフェストに消費税増税を」
■「税・社会保障の一体改革」が“長妻モデル”に光を当てる
―長妻議員が構想した「少子高齢社会を克服する日本モデル」ですが、議員の大臣退任とともに、幻となってしまったのでしょうか。
そうとも言い切れません。例えば今、税と社会保障のあり方を改めて見直す「税・社会保障の一体改革」が首相官邸主導で進められています。そして、官邸で改革の実務を担っている厚生労働省の官僚の中には、わたしの考えたモデルをよく理解している人が少なくありません。「税・社会保障の一体改革」が進む中で、わたしが思い描いた「少子高齢社会を克服する日本モデル」の構想が生かされることは、十分にあり得ると思います。
―一度は幻となった“長妻モデル”が、思わぬ形で日の目を見る可能性もあるわけですね。
その通りです。そもそも社会保障全体の姿は、国民の皆さんにとって、あまりに巨大過ぎて分かりにくいのではないでしょうか。その姿をイメージしてもらう上でも、わたしの描いたモデルは役に立つと思うのです。
■社会の変質に対応していない社会保障制度
―ところで、厚労相を1年間務めた経験から、日本の社会保障制度が抱える最大の病理はどこにあるとお考えですか。
制度設計の前提に問題があると思います。現在の社会保障制度は、「正規雇用された会社員の夫と専業主婦、2人の子ども」といった家族像が多数を占めていた時代に設計されました。
一方、現代社会は、だいぶ様相が異なります。例えば自営業者のための保険だった国民年金は、非正規雇用の受け皿となっています。今では、むしろ非正規雇用者の加入の方が自営業者より多くなりました。家族も友人もいないまま、孤独な老境を過ごし、死んでいく人も少なくありません。わたしが大臣就任直後に政府として初めて公表した貧困率のデータが証明している通り、この国は、先進国では米国に次いで貧富の差が大きな国になりました。貧困層が増えていることも、もはや隠しようがありません。
均質だった日本社会は、いつの間にか、いろいろな意味で「格差」の大きな社会に変貌してしまったのです。ところが社会が変質してしまったのに、社会保障制度ばかりは昭和の高度成長期の発想から変わっていない。社会の変質に対応していないということです。ここに最大の問題があります。
■目指すは「参加型社会保障」と「共助倍増計画」の実現
―言い換えるなら、差があるライフスタイルに対応できる社会保障こそが求められているわけですね。
その通りです。ただ、多様なライフスタイルに対応できる制度をつくり上げるのは、そう簡単なことではありません。そのためには従来の「保護型社会保障」を「参加型社会保障」に改革すると同時に、「共助倍増計画」を推し進める必要があります。
―議員の言う「共助」とは、「社会保険のような制度化された相互扶助」のことですか。
それもあります。また、ボランティアなど助け合いという意味もあります。
「共助倍増計画」とよく似たフレーズとして、わたしが生まれた1960年に池田勇人首相が掲げた「所得倍増計画」という言葉があります。ところが、それから半世紀余り経過した今でも、所得倍増計画の発想を引きずっている人がいます。これは相当に無理があると言わざるを得ません。
―なぜでしょうか。
所得倍増計画が掲げられた時代は、右肩上がりで生産年齢人口が増え続けた時期でもあります。池田首相が掲げた計画は、生産年齢人口が右肩上がりに増え続けるという前提があってこそ成り立つ計画だったのです。
逆に言えば、人口減少が続く成熟社会では、公共事業を軸に経済成長を期待する所得倍増計画の発想は通用しません。成熟社会で必要とされるインフラは、道路やハコモノではなく、社会保障です。事実、社会保障の中には、公共事業よりも高い経済波及効果を持つ分野も増えています。その波及効果を確かなものにし、今後の経済成長の基盤を整備するためにも、「参加型社会保障」を充実させ、「共助倍増計画」を推し進める必要があるのです。
―しかし、社会保障を「経済成長のお荷物」とみなす考え方も根強く残っています。「社会保障費に費やされる税金を他に回すことができれば、もっと大きな経済効果が得られるはず」という意見もよく聞かれます。
それこそが所得倍増計画の発想であり、「保護型社会保障」を前提とした考え方です。確かに、サービスを給付し、単に高齢者や障害者、失業者を守ることに主眼を置いた「保護型社会保障」であれば、経済成長にはつながりません。しかし、そうした人々の社会参画や地域への復帰を前提とし、子どもを産んでも働き続けられる「参加型社会保障」であれば、逆に経済成長の基盤をつくる役割を果たします。
―具体的には、どんな施策が「参加型社会保障」に含まれるのでしょうか。
失業者に対し、単に手当を渡すだけでなく、効果的な職業訓練と的を絞った職業紹介もセットで給付金を提供する施策は、「参加型社会保障」の施策の典型です。
現在、共働き世帯が専業主婦世帯をはるかに上回っています。子どもが生まれたら仕事を続けられないのは、社会にとって大きな損失です。子ども手当と保育所整備の現物給付は、少子化の流れを変える車の両輪となる政策です。これも「参加型社会保障」の一類型です。現政権では、子ども手当がクローズアップされ、現金給付ばかりが強調されていますが、現物給付、すなわち保育サービスの定員を毎年5万人ずつ、5年間増加させる計画を閣議決定しました。
介護であれば、大型の施設整備だけに主眼を置くのではなく、地域に密着した新しい形の小規模サービスを充実させ、高齢者が地域の中で生活できる環境を整える施策が「参加型社会保障」に該当します。
創設が決まった「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」などは、「参加型社会保障」の発想で練られたと言えます。家族介護者の「レスパイトケア」に関する施策もそうでしょう。在宅福祉サービスが弱いという日本の弱点を克服するためにも、これらの施策は重要な意義を持っていると言えるでしょう。
■国民の意識を変え、“おせっかい”の復活を
―しかし、「参加型社会保障」にしても「共助倍増計画」にしても、その推進には、国民の意識から変える必要があるのではないでしょうか。意識を変えるのは制度を変えるより、はるかに難しい仕事だと思いますが。
だが、政治家はそこに取り組まなければなりません。政策を作ることだけが政治家の役目ではありません。新しい価値観を提示し、国民の意識を変えることも、大切な使命です。わたしが「少子高齢社会を克服する日本モデル」を構想したのも、その使命を果たすためでした。
「共助倍増計画」や「参加型社会保障」を実現するための方針を分かりやすく表現するなら、「お金持ちには、もう少しお金を拠出してもらい、今より給付を我慢してもらう。保険方式を含む共助の精神をさらに広げ、お互いにおせっかいを焼き、助け合う文化を取り戻してもらう。一人ひとりに出番と居場所がある社会をつくる」といったところでしょうか。この考え方を広げれば、国民の意識も変わってくるはずです。
―おせっかいを復活させるための具体策はありますか。
日本は先進国で最も国民の寄付が少ない国の一つです。民主党政権では、NPOなどへの寄付文化をはぐくむために、寄付の大幅な税の優遇を決めました。
加えて、ボランティアをあっせんするボランティアセンターを拡充することですね。「少子高齢社会を克服する日本モデル」で基本的な地区として示した中学校区内に一つずつ置ければ理想的です。
ただ、単にボランティアセンターを置くだけでは、人は集まりにくいかもしれません。例えば、地域のボランティア活動を大学や高校などの単位として積極的に認めるなどの施策を打ち出すのも効果的ではないでしょうか。
それから、ボランティア活動を普及する上で重要なことは、ボランティアをあっせんし、仕事を頼み、教えるボランティアを確保すること。自治体や国が音頭を取り、そうした人たちを養成することも必要かもしれません。
■「増税を掲げて勝つ政党こそが必要」
―「共助倍増計画」や「参加型社会保障」を実現するにしても、どうやって財源を確保するかという課題は避けて通れない気がします。
確かに社会保障費の毎年1兆円の自然増を思えば、消費税増税は避けて通れないでしょう。わたし個人としては、民主党は次の衆院選のマニフェストに消費税率アップを盛り込むべきと考えます。
―しかし、これまで消費税増税を掲げた政党は、ことごとく選挙に敗れています。
それでも、消費税率アップをマニフェストに掲げるべきです。現在の財政事情と社会情勢を思えば、今の日本には「増税を訴えて、選挙に勝つ」政党こそが必要なのです。それができなければ、日本の社会保障の未来はありません。
もちろん、消費税増税だけを掲げるわけではありませんよ。マニフェストには、消費税率アップを実施する前提として、次の3つの条件も同時に盛り込むべきと思います。
「未来の社会保障の明確なビジョン」「消費税率アップを実現する際の工程表」「自らの身も切る徹底した無駄の削減の継続」です。
「消費税率アップを実現する際の工程表」とは、一気に税率をアップするのか、それとも段階的に引き上げていくのかなど、経済に極力、負荷を掛けない方法を明示するということです。増税の影響を大きく被る低所得者対策についても、詳細にシミュレーションした上で、できる限り納得できる方法と工程を組み上げる必要があります。
「自らの身も切る徹底した無駄の削減の継続」については、言うまでもないでしょう。民主党では、既に議員報酬の1割カットや、衆参の国会議員120人を定数削減することを決めました。それから、財源を圧迫する過剰介護や過剰医療の洗い出しも不可欠です。事業仕分けを続け、各省庁にも事業仕分け室を設置するなど、無駄を徹底的になくす仕組みを政府の中に埋め込むことが重要です。
もう一つ、消費税率アップを実施する上で不可欠なことがあります。政治に信頼を取り戻すことです。そのために民主党が掲げたマニフェストの達成度を検証し、国民に説明する必要があります。まるで何も実現していないというイメージが定着していますが、決してそうではありません。
われわれは、診療報酬改定を10年ぶりにネットプラスに転じさせました。小泉政権時代から続いてきた毎年社会保障費の伸びを毎年2200億円ずつ自動的にカットする仕組みも取りやめました。年金制度改革は工程表通りに進めていますし、障害者自立支援法も、後期高齢者医療制度も廃止を決め、新しい制度設計に入っています。
「消えた年金」問題では、これまで1200万人の記録が戻り、計算できただけでも1.4兆円分の年金額が復活しました。生活保護の母子加算の復活、児童扶養手当の父子家庭への支給、非正規雇用への雇用保険加入要件緩和など、マニフェスト事項で達成したことも多くあります。
しかし、子ども手当は、初年度1万3000円は約束通りでしたが、次年度の2万6000円は達成できませんでした。この点はわたしも大臣時代に謝罪をしました。
■報酬改定では医療・介護の“架け橋”の分野に光を
―2012年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に関する議論が、今年から本格化します。同時改定では何が論点となるのでしょうか。
既にいわれていることですが、最大のポイントは医療・介護の連携でしょう。急性期から慢性期、そして在宅へ、施設から在宅へ、これらをつなぐ間の“架け橋”を太くするための報酬設定が不可欠ということです。
具体的には、慢性期、維持期といった介護と医療のはざまとなる分野に光を当てる必要があるでしょう。それから、前述しましたが、現在の日本では在宅医療や在宅介護を支える体制が弱いと言えます。その結果、病院や介護施設から自宅に戻ることができず、施設に残らざるを得ないという問題が生まれています。
この問題を解決するためにも、例えば、夜間訪問介護や在宅医療支援診療所や在宅医療支援病院、あるいは新たに創設される「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」に携わる方々への報酬に十分配慮する必要があるのではないでしょうか。 もう一つ、忘れてはいけないのは過去の検証です。中医協でも介護給付費分科会でも、次の改定について考える前に、直近の報酬改定がどんな効果を生み、どんな課題を残したのか、しっかりとした検証作業を行う必要があります。わたしが大臣在任中に強化した取り組みですが、今度の同時改定でも、着実に実施してほしいですね。
―議員が厚労相を退任なさってから、この3月で半年が経過します。もう一度、厚労相として活動したいというお気持ちはありますか。
大臣としてやり残したこと、まだやりたいことはあります。ただ…とにかくわたしは、役所にとっては「招かれざる大臣」でしたからね(笑)。
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2011年03月01日
子ども手当は増税だった――源泉徴収票の見方、教えます
サラリーマン諸兄は1月の給与明細の封筒に「平成22年分 給与所得の源泉徴収票」と書かれたA6サイズの小さな紙が入っていたと思う。これまで説明したとおり、年収から給与所得控除が引かれ、さらに奥さんの収入や子供の年齢によって決まった控除額が引かれ、所得税を計算するための課税所得が決定する。それに税率を掛けると税額が決まる。その結果が書かれているのが源泉徴収票だ。これを見れば昨年1年間にどれだけ稼いだか、いくら納税したかを知ることができる。一家の大黒柱の通信簿のようなものだ。
●世界でも珍しい制度、だからこそ源泉徴収票を確認しよう
では年収500万円、奥さんと子供1人、生命保険を10万円以上掛けているモデルケースで源泉徴収票を見てみよう。
支払金額(年収)500万円だと給与所得控除は154万円となり、給与所得控除後の金額(給与所得)は346万円となる。
・給与の収入金額(年収)-給与所得控除=給与所得(例)500万円-154万円=346万円
各種控除は、基礎控除38万円、奥さん(配偶者控除)38万円、子供(扶養控除)38万円、生命保険10万円以上で5万円、保険、年金等の社会保険が47万で、合計166万円の場合、給与所得の346万円から166万円を引いた180万円が課税所得となる。
・給与所得-各種控除=課税所得(例)346万円-166万円=180万円
源泉徴収票を見ると支払金額に500万円、給与所得控除後の金額に346万円、所得控除の額の合計額に166万円と記載されてる。下段には配偶者(有)に*印、扶養親族(その他)に1人、社会保険料等の金額に47万円、生命保険料の控除額に5万円と書かれている。基礎控除は一律ということで記載はない。
これで所得税額を計算する要素は全てそろった。はたして東国原慎太郎さんの所得税はいったいいくらになるのか。所得税は課税所得によって税率が異なってくる。課税所得と税率は以下の通りだ。
表を見ると勘違いしやすいが、195万円の人は5%で200万円の人は10%になるわけではない。200万円の人は195万円の5%=9万7500円と、超えた5万円の10%=5000円を足した10万2500円が所得税となる。簡単に計算するために控除額が記載されている。計算の方法を式にすると
・課税所得×税率-控除額
となり、課税所得が200万円の場合、
・200万円×0.1-9万7500円=10万2500円
東国原慎太郎さんの場合は課税所得が180万円なので、
・180万円×0.5=9万円
となる。源泉徴収票の源泉徴収税額にはこの金額が記入されている。サラリーマンの場合は毎月の給料から所得税が引かれ(源泉徴収され)、年末の給料で最終確定した税額が年末調整されているので、すでに税金は納付済みとなる。源泉徴収票には給与所得控除の154万円と課税所得の180万円は記載されていないため、計算のロジックを知らないと分かりにくい。
サラリーマンの年末調整は世界的には珍しい制度と言われている。サラリーマン自身は楽になる半面、国民に納税意識が育たないといった弊害も指摘されている。せめて用紙サイズを大きくしてもいいので、源泉徴収票を分かりやすくA-B、B-C、D×○%と計算ロジックが分かるようにすると税金への意識、政策への関心が高まるような気がする。
●子ども手当は増税か
さて、子ども手当の導入で15歳以下の扶養控除がなくなる平成23年の所得税がどうなるか計算してみよう。仮に昇給もなく他の条件が全く同じだった場合、控除額が38万円減って166万円から128万円になり、課税所得はその分38万円増え180万円が218万円となる。
・給与所得-各種控除=課税所得(例)346万円-128万円=218万円
218万円に対する所得税は、
・課税所得×税率-控除額(例)218万円×0.1-9万7500円=12万500円
となり、3万500円の増税となる。
個人事業主の場合は、確定申告後に決まった所得税を納付する。原稿料のように振り込まれる段階ですでに10%の源泉徴収されている場合は、その分を差し引いた額を納税する。納め過ぎている場合は1カ月ほどで還付される。完全後払い制なので、稼いだ金を使い果たしてしまうと翌年の春に大変なことになる。
所得税額を最初の例で計算すると、
・売上(収入)-経費=所得(例)800万円-270万円=530万円
・所得-各種控除=課税所得(例)530万円-180万円=350万円
の場合は、
・350万円×0.2-42万7500円=27万2500円
となる。
こちらも同じく扶養控除がなくなると、控除額が38万円減って180万円から142万円になり、課税所得はその分38万円増え350万円が388万円となる。
・所得-各種控除=課税所得(例)530万円-142万円=388万円
388万円に対する所得税は、
・課税所得×税率-控除額(例)388万円×0.2-42万7500円=35万1000円
となり、7万8500円の増税となる。
どちらのケースも子ども手当が満額支給されれば年間31万2000円なので、増税によりマイナスになることはない。ただし毎月2万6000円がまるまる増えたとは思わない方がいいだろう。
●住民税の額は地域ごとに違うの?
筆者は長年「○○市に住むと住民税が高い」という都市伝説を「へえ~、そうなんだ」と思っていた。読者の中にも、「○○市は○○電器の本社があって、税収が多いから住民税が安い」などと聞いたことがあるかもしれない。なぜそういう話が広がったかは不明だが、住民税は、基本的には全国一律、どこに住んでも税額は変わらない。
住民税は所得によって変化する所得割と、税額が一律の均等割からなっている。所得割は、市民税が課税所得の6%、県民税が4%、合計10%だ。均等割は市民税が3000円、県民税が1000円の合計4000円だ。表にすると以下のようになる。
所得税の説明の中に「各種控除」というものがあった。基礎控除、扶養控除、生命保険控除といったものだ。所得税と住民税では、各種控除の額に差がある。主なものは以下の通りだ。
東国原慎太郎さんの所得税の控除と比較してみると、社会保険料控除は同じで47万円、配偶者控除が38万円から33万円、扶養控除も38万円から33万円、生命保険料控除が5万円から3万5000円、基礎控除も38万円から33万円となるので、控除額の合計は166万円円から149万5000円と16万 5000円減ることになる。
・所得税の控除=47万円+38万円+38万円+5万円+38万円=166万円
・住民税の控除=47万円+33万円+33万円+3.5万円+33万円=149.5万円
課税所得額は所得346万円から住民税の控除を引くと、
・346万円-149.5万円=196.5万円
となり、所得税の課税所得180万円より高くなる。この控除額の差で大きいのは、扶養控除の特定扶養親族=高校生と大学生の子供がいる家庭だ。高校生と大学生が一人ずついた場合、所得税では63万円×2=126万円の控除だが、住民税は45万円×2=90万円と、その差は36万円もある。
少々話が複雑になるが、住民税にはさらに「調整控除額」なるものがある。国から地方への税源移譲が平成19年(2007年)に実施された。ざっくり言うと、所得税は所得に応じ10%、20%、30%、37%だったのを現在の5%、10%、20%、23%、33%、40%に変更、住民税は5%、10%、 13%だったのを現在の一律10%とした。これによる税額の差が生じないように調整控除額なるものが設定されている。この例の場合は市民税を4500円、県民税を3000円差し引く。住民税の税率は市民税が6%、県民税が4%なので所得割は、
・市民税=196.5万円×6%-4500円(調整控除額)=11万3400万円
・県民税=196.5万円×4%-3000円(調整控除額)=7万5600万円
となる。これに均等割の市民税3000円、県民税1000円を加えると、
・市民税=11万3400万円+3000円=11万6400円
・県民税=7万5600万円+1000円=7万4600円
2つを合計すると、
・住民税=11万6400円+7万4600円=19万1000円
が住民税となる。
●住民税も実は増税、子ども手当分を計算してみる
住民税にも子ども手当による増税の影響はでてくる。扶養控除の33万円がなくなると、控除額が33万円減って149.5万円から116.5万円になり、課税所得はその分33万円増え196.5万円が229.5万円となる。調整控除額、均等割も計算すると住民税は23万円となり3万9000円の増税となる。所得税の増税分3万500円を合計した6万9500円が増税されるので、実質の子ども手当は年間31万2000円-6万9500円=24万2500円となる。
冒頭で「住民税は基本的には全国一律」と書いたが、筆者が住む愛知県の場合「あいち森と緑づくり税」があり、県民税の均等割1000円に500円が上乗せされ住民税と一緒に徴収される。全国で30県ほど似たような税によって課税しているようだ。また名古屋市は河村たかし市長の公約である市民税10%減税を実施している。大村秀章愛知県知事も県民税10%減税を掲げており、名古屋市に住むと実質の住民税額は9%なりそうだ。
納税の時期も住民税と所得税は異なっている。住民税は対象年の翌年に納税する仕組み。サラリーマンの場合、毎月所得税と住民税が天引きされているので、感覚的に理解しにくい。2010年の収入に対する所得税は毎月天引きされ、最終的に年末調整で2010年12月の給料で差異が修正され、納税がすべて済んでいる。住民税は2010年の課税所得額から計算したものを、2011年の6月から2012年の5月まで1年間で天引きする仕組みだ。子ども手当により増税となった住民税を納めるのは来年(2012年)の6月からとなる。
個人事業主の場合は2010年の所得を2011年の2月から始まる確定申告で申請し、所得税は3月15日までに1年分をまとめて納税。住民税は2011 年の6月、8月、10月、2012年1月の計4回に分けて納税を行う(一括も可能)。3カ月分をまとめて払うことと、自分自身が金融機関やコンビニで支払うので、「納税している」という実感をたっぷり味わうことができる。
●個人事業主の消費税を考える
消費税の話をしよう。消費税といっても5%だ10%だという話ではない。個人事業主は独立してちょっと稼ぐと消費税の申告も必要という話だ。サラリーマンの方はあまり関係ないが参考程度にお付き合いいただきたい。
消費者は1000円の製品を買うと5%上乗せして1050円を支払う。この50円の行方はどうなっているのだろうか。仮に「メーカー」→「卸業者」→ 「販売店(お店)」→「消費者」という流通形態で、それぞれの価格がメーカーは700円、卸業者は800円で販売したとしよう。
メーカーは700円に5%の35円を乗せ735円を請求する。卸業者は800円に5%の40円を乗せ840円を請求することになる。販売店は消費者から 1050円を受け取っているが、卸業者に840円を支払うので差額は210円。200円が利益で10円が消費税分となり、10円を納税する。卸業者は 840円から735円を引いた105円から5円を納税する。メーカーは35円(実際にはメーカーも材料の仕入があるがここでは無視する)を納税する。消費者が払った50円の消費税は、販売店が10円、卸業者が5円、メーカーが35円を代行して納税する仕組みだ。
現実にはそれほど単純ではなく、企業活動には仕入以外に諸々の経費が必要で、電気代にもPC購入費にも携帯代にも交通費にも消費税が上乗せされている。切手、印紙のように非課税の経費(仕入)もある。受け取った消費税額(課税売上高×(5/105))から支払った消費税額(課税仕入高×(5/105))を引いたものが納付する消費税額。さらに厳密には消費税は4%、地方消費税の1%を足して5%となっている。
●手元に残る“益税”は……
では個人事業主の消費税はどうなるのか。消費税は前々年の売上高が1000万円以下の場合は免税事業者となり消費税を納める必要はない。独立してから2 年間は前々年の売上がないので自動的に免税となる。免税事業者だからといって取引先に消費税を請求しないと、電気代、PC代、携帯代――と支払う経費に消費税が上乗せされているので損をしてしまう。例えば初年度の売上が1050万円、課税仕入高が315万円なら、消費税分の50万円-15万円=35万円が益税として手元に残ることになる。消費税を請求しないと、逆に15万円の損となる。こうした、消費税額の一部が事業者の手元に残る益税は……チョットうれししい。
独立した年に1000万円を越えれば3年目は消費税を納めることになる。2008年(平成20年)に売上が1000万円を越えていれば、2010年(平成22年)は消費税の納付義務があるので、2010年の課税売上高から課税仕入高を引いた額の5%(正確には5/105)を申告、納付することになる。所得税の申告は3月15日までだが、消費税は3月31日までに申告する必要がある。ずっと1000万円を越えなければ消費税は納める必要がない。
1000万円が多いか少ないかは業種による。家にこもって原稿を書く仕事で経費が100万円なら、1000万円の売上があれば充分と考えられるが、物販で1000万円の売上、仕入その他の経費が800万円だとかなり貧乏な生活となる。仕入れた物をそのまま販売する業態の場合は売上は1000万円を越える可能性が高い。
2008年に売上が1000万円を越えると、2009年の秋頃に「消費税簡易課税制度選択届出書」なるものが送られてくる(来ない場合もあるらしい)。2009年のうちに届け出をすれば簡易課税で申告をすることも可能となる。
簡易課税とは、事業の内容によって「みなし仕入率」でざっくりと消費税を決めてしまう方法だ。事業内容は5種に分類されている。
計算式は、
・売上消費税-(売上消費税×みなし仕入率)=納付消費税額
仮に小売業で非課税売上はなく課税売上が3150万円、売上消費税が150万円、みなし仕入率80%とすると、30万円が納付する消費税額となる
・150万円-(150万円×80%)=30万円
実際の仕入消費税額が110万円の場合は原則課税だと納付消費税額は40万円になるので、簡易課税の方が得になる。逆に仕入消費税額が130万円の場合は原則課税だと納付消費税額20万円になるので、簡易課税を選択すると損をすることになる。原則課税の場合は切手、商品券、人件費など非課税の経費を細かく計算する必要がある。簡易課税は仕入の明細を無視できるので、事務作業は大幅に軽減される。どちらを選択するかは、過去の決算内容をみて判断すればいいだろう。
2008年に売上が1000万円を越え、翌年1000万円を切った場合、2010年は課税事業者となるが、2010年中に「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出手続」を提出すれば2011年は免税事業者に戻ることができる。
さて、次回はサラリーマンと個人事業主の節税について考えたい。【奥川浩彦,Business Media 誠】
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2011年02月24日
民主・自民が目指す「増税大連立」という茶番
菅直人首相に残る選択肢は3つに絞られた、という点で大方の見方は一致している。すなわち衆院解散・総選挙か内閣総辞職、あるいは居直りである。私はいずれにせよ、解散・総選挙が近いとみる。
菅が居直ってみたところで、もはや予算関連法案は成立する見通しがない。そうなると、金融市場が悲鳴を上げる。政権の経済財政運営能力が失われたとみて、株価は下落し、長期金利は上昇するだろう。
ただでさえ民主党内に菅不信の声が高まっているのだから、居直り姿勢がはっきりすれば、金融市場からの警告を受けて、両院議員総会で退陣を求める流れになるのは時間の問題である。
菅には解散を避けて、内閣総辞職を選ぶ道もある。民主党議員は「いきなり解散すれば、自分の議員バッジが危ない」というのが本音だから、解散よりも内閣支持率が少しでも高まる(それで自分が当選する)可能性がある総辞職のほうがベターと考えるだろう。
その場合、ポスト菅はだれか。
思いつくのは岡田克也幹事長か前原誠司外相、仙谷由人党代表代行あたりだが、この3人に菅を加えた4人は「民主党の4人組」と言われていた。だから、3人のうちだれに代わっても「菅亜流政権」になるだけで、基本的な党内権力構造と政策路線は変わらない。
それでは、小沢一郎元代表を支える小沢グループと小沢に近い鳩山由紀夫前首相らの鳩山グループらは反執行部姿勢を続けるだろう。彼らの大義名分は「2009年政権公約(マニフェスト)を守れ」であり、政策路線も4人組とは異なる。
仙谷は小沢支持グループの反発を和らげる効果を狙って、野田佳彦財務相を担ぐという見方もある。それも意図が見え透いている。結局、野田が仙谷を軸とする「4人組の傀儡」になるのはあきらかである。
結局、だれが見ても「鳩山、菅と続いた民主党政権が3.0にバージョンアップした」と思えるような首相候補は見当たらない。民主党も人材が種切れなのだ。
では、ポスト菅が菅亜流政権にならない可能性はあるか。
ないとみる。なぜなら、それはすなわち党の実権を握る仙谷の政治的失墜を意味するからだ。それでは仙谷にとって、菅を交代させる意味がない。
結局、元に戻ってポスト菅が菅亜流政権にならざるをえない以上、仮にミスターX(岡田? )に表紙を代えてみても、自民党や公明党など野党が予算関連法案に賛成する可能性はない。
とくに自民党の谷垣禎一総裁は「菅政権を解散・総選挙に追い込む」ことに政治的生命を賭けてきた。「菅が辞めれば、ポスト菅の亜流政権が続いてもいい」では話にならず、自民党内で自分の身が危なくなってしまう。
というわけで、菅が解散・総選挙に踏み切る。あるいは菅自身の手で解散しないとしても、事実上、次が選挙管理内閣になることを野党に確約したうえで、予算関連法案を処理し話し合い解散になる可能性が高い。多少の時間のずれがあったとしても、ようするに解散・総選挙である。
*** 自民も民主も過半数をとれない ***
ここからが本題だ。解散・総選挙になった場合、どの党が第一党になるのか。
各種世論調査をみると、民主党の政党支持率は落ちているが、同時に自民党も低迷している。たとえば時事通信の2月調査では、民主党が11.9%であるのに対して、自民党は14.9%しかない。しかも昨年12月、ことし1月に比べると、民主党と同じように支持率が続落しているのだ。
これでは仮に総選挙になったところで、自民圧勝とはいかないだろう。むしろ民主党も自民党も過半数を握れず、みんなの党や公明党の第3極がキャスティングボートを握る可能性がある。
そうなれば、必然的に衆院の過半数を目指して政党間で合従連衡が起きる。そこで、もっとも政策的に近いのはどことどこか。実は自民党と民主党である。両者はともに増税路線を掲げているからだ。すでにヒントも示されている。
自民党の谷垣総裁は2月9日、菅との党首討論でこう述べた。
「自民党は昨年の参院選で当面10%の消費税は必要という案を掲げた。次の衆院選マニフェストも当然、それを踏まえたものになる。民主党も方向性はそんなに違わないだろう。選挙の後、勝った方がそれをやって、負けた方も腹いせだなんてことはやめにする。それが、この問題を解決する近道だ」
この発言をとらえて「自民党は解散・総選挙を求めた」と理解するのでは、谷垣の真意を半分しかとらえていない。残り半分が重要である。谷垣は「選挙が終わったら、どっちが勝っても一緒に増税をしよう」と言っているのだ。つまり、最終的には自民と民主による増税大連立政権の樹立である。
いま谷垣自民党はとにかく菅政権を倒して解散・総選挙に持ち込みたいから、激しい言葉で民主党を攻撃しているが、選挙が終われば、さっさと手を握る公算が高い。そもそも、最重要課題である増税路線で一致しているのに、選挙の後もけんかしているほうが理屈に合わないのだ。
*** 党首討論の核心部分 ***
政策が同じなのに「とにかく解散・総選挙を」という基本戦略も、政党の言い分としては根幹の部分でゆがんでいる。本来は、目指す政策がまったく違うから「一刻も早く国民の意志を問え」という主張に政治的正統性が出てくるのだ。
その点で、菅が「まず解散だというのは、国民の利益よりも党の利益を優先している提案としか思えない」と反論したのは正しかった。ほとんどのマスコミはこのやりとりが持つ重要な意味合いを正確に伝えなかったが、まさに、ここが党首討論の核心部分である。
仮に解散・総選挙となれば、自民党と民主党の戦いは非常に奇妙なものになるだろう。互いに相手をけなしながら、政策はともに増税を主張するのだから。両者はいったい、どこが違うのか、国民は判断に迷うに違いない。
これに対抗する政治勢力はといえば、増税よりも改革を優先する渡辺喜美のみんなの党、そして河村たかし名古屋市長の「減税日本」のような地域勢力が軸になるはずだ。自民、民主の「増税派」VS「改革+減税派」というのが、国民にとって大きな選択肢の構図である。
自民党にも谷垣の増税路線を牽制して改革を目指す勢力がいる。民主党にも菅・仙谷ラインの増税路線に異を唱えるグループがいる。小沢・鳩山グループがそうだ。先に会派離脱声明を出した「16人の反乱」は先駆けだった。
そうした党内異分子はいざ総選挙、その後の政権奪取プロセスで、増税一本槍でいくのかいかないのか、大きな決断を迫られるだろう。
国会は菅政権と谷垣自民党の間で、もうしばらく「解散か総辞職か」と激しいやりとりが続きそうだ。だが、華々しく火花が飛び散る表舞台とは裏腹に「選挙が終わったら仲良くやろうぜ」とサインを送り合っている茶番劇にだまされてはいけない。
(文中敬称略)
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2011年02月21日
消費増税は不可避=労使4団体からヒアリング―集中検討会議
政府の「社会保障改革に関する集中検討会議」(議長・菅直人首相)は19日、日本経団連、経済同友会、日本商工会議所、連合の労使4団体からヒアリングを行った。4団体とも急速に進行する少子高齢化を踏まえた改革の必要性を認め、安定財源として消費税率引き上げは避けられないとの認識を示した。
消費税について、経済団体側は「速やかに10%まで引き上げ、2020年代半ばまでに10%台後半」(経団連)、「(年金に充てる)年金目的消費税を 30年度までに9~10%」(同友会)、「消費税を引き上げざるを得ない」(日商)と増税の方向で足並みをそろえた。連合は「社会保障制度の維持強化のために充当する税として位置付けるべきだ」と述べ、引き上げを容認する姿勢を示した。
焦点となる年金制度は、各団体が独自の改革案を提示。経団連、同友会、連合が基礎年金の全額税方式を、日商は現行の社会保険方式を主張した。また高齢者医療、介護については公費負担の拡充を求める意見が相次いだ。
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